貸株レートを証券会社ごとに比較します!とその前に

「貸株サービスのレート比較」について説明します。

  • 証券会社を選択する際の判断基準として、「貸株レート」が有効である。
  • 貸株レートの開示ルールは、各証券会社で異なる。
  • 当サイトでは、楽天証券とGMOクリック証券
    の貸株レートをベースに、貸株レートの動向をレポートしていく。

 

①貸株サービスの比較基準:貸株レート

前回までの記事で、

  1. 貸株サービスというものがありますよ。
  2. 貸株サービスの仕組みは大体こんな感じです。
  3. 貸株サービスにはメリットがあります。
  4. 同時にデメリットもあります。
  5. 証券会社は、そのデメリットを補う「機能」をそれぞれ用意してくれています。
  6. この機能は、「どの証券会社の貸株サービスを利用したらいいか」を決める際の判断基準になります。
  7. しかし、判断基準として、「貸株レート」も大事です。

という話をしました。

「貸株レート」は、実際に受け取ることになる貸株金利の計算に使われますからね。

(再掲)貸株金利の計算式

貸株金利(円/日)=参考時価(円)✕ 貸株数量(株)✕ 貸株レート(年率)÷ 365

 

ということで、次は、証券会社別で、貸株レートの比較をしたいわけです。

ところが、そもそも「各社の貸株レートの開示状況はどうなっているのか」が、まだ整理できていないですよね。

次で整理していきます。

②貸株レートの開示状況比較

各証券会社の貸株レートの開示状況を、

  • 更新頻度
  • 開示範囲
  • ルール上の最低レート・最高レート

の観点で比較整理しました。

貸株レートのルール比較表(2020年11月時点)

ルール
/証券会社
SBI証券 楽天証券 auカブコム証券 マネックス証券 松井証券
GMOクリック証券
スマート
プラス
野村証券
更新頻度 週次 週次 月次 週次 週次 週次
開示
範囲
全銘柄
一部銘柄 1%以上
銘柄
変更予定
銘柄
非開示
最低レート(%) 0.1 0.1 0.02 0.1 0.2 0.1 0.1
最高レート(%) 上限なし 上限なし 上限なし 0.1

※記号説明 ○:対応 ✗:非対応。ログインしないと見られない。 ?:確認できず

 

表からわかること・目立った点

共通点

  • レートの更新頻度は、週次が多い。
    →「市場の動向に従う」とのこと。
  • 貸株対象銘柄の最低レートを0.1%にしている証券会社が多い。
    →銀行預金金利より高いのは魅力かも。ただし、原資産に価格変動リスクはある点には注意したい。
    (例)貸株レートは10%。値動きによる含み損は-20%。

相違点(=いわゆる特徴)

  • 貸株レートの開示状況には、ばらつきがある。
    銘柄毎に貸株レートを変え、かつ全開示している証券会社は、楽天とGMOの2社のみ。
  • 最低レートを0.1%にしていない証券会社がある。
    松井証券が0.2%。auカブコムは0.02%

 

表に書ききれなかった、その他ルール

共通点

  • 貸株サービス取扱銘柄は、原則どの証券会社も、国内の取引所上場銘柄。
    ただし、関連銘柄は対象外(←会社法が理由と考えられる)。

相違点(=いわゆる特徴)

  • (楽天)
    「代用のまま貸株」する場合の貸株レートは、通常の貸株レートと同じとは限らない。
    ログイン後に確認できるとのこと。
  • (野村証券)
    他のネット証券とサービスの仕様が異なるため、単純比較は不可能。
  • (スマートプラス)
    貸株レートは、残念ながら、すべて0.1%。今後に期待。
  • (マネックス)
    配当自動取得の設定にすると、貸株レートが実質ダウンする。
    (楽天)
    自動取得の設定にしなければ(金利優先設定にすれば)、貸株レートが上がる。

 

注意点

  • 各社の「貸株レートの上限なし」という趣旨の文言はあるものの、「実際の貸株レートがどの水準であるか」に注意が必要である。
    →これに関しては、釣り文句の可能性あり
    実際、貸株レートの水準は、「市場の動向次第である」と各社述べている。

例えば、「レートに上限なし」としている松井証券の貸株レートの最高値は2%である一方、SBI証券の貸株レートの最高値は14%だったりします。(2020年11月現在)

 

このように、「ルール」だけでなく、「貸株レートの実数値」にも注目していきたいです。

 

残念ながら、貸株レートを公開していない証券会社が多数です。

しかし、口座開設は無料なので、実際に口座開設して貸株レートを各自で確かめても良いかもしれません。

では、最後に、貸株レートの記事についての今後の方針について説明します。

③今後の方針:貸株レートの分布とその動向を追いかける

上記注意で述べたとおり、貸株サービスの選択については、貸株レートの動向が重要になります。

なので、楽天証券とGMOクリック証券
の貸株レートの分布を比較していきます。

2社の更新頻度に合わせ、週次でレビューしていきます。

 

ただし、前章で見た通り、貸株レートを「一部だけ」開示している証券会社もありました。

個別銘柄について焦点を当てて、3社以上で貸株レートの比較も行っていく予定です。

 

これらをすることで、下記のメリットをお届けできます。

  • 各証券会社の貸株レートの全体像とその動向を比較し、追いかける。
  • 証券会社の向こう側に広がっている「貸株市場」の動向のヒントを得る。
  • 株価の短期変動のヒントになるかもしれない。
    (↑貸株市場は、「信用売り」を支えているので。)

 

実際の貸株レートの動きは、貸株レート動向でレポートしています。

 

今回の記事は以上です。ありがとうございました。

 

貸株サービス入門編はこれで終了です。お疲れさまでした。

貸株サービスを利用する際には、

  • 貸株のリスクを減らす便利機能
  • 貸株レートの動向と比較

を判断基準に、証券会社を選んでみてください。

 

その手助けとなるように、当サイトでは引き続き、

  • 貸株レートの動向
  • 貸株ニュース
  • 貸株に関する専門的な知識

を投稿していきます。

 

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