貸株レート動向(楽天vsGMO・2020年11月第4週)
「2020年11月第4週の貸株レート」を振り返ります。
- 8割強の銘柄の貸株レートは、最低レートの0.1%である。
- 貸株レートが優位な銘柄数は、楽天証券が多い。
- 貸株レートが1%以上の銘柄数は、GMOクリック証券が多い。
①貸株レートの集計方法
今回の目標
- 楽天証券、GMOクリック証券の貸株レートの動向を比較する。
- ※個別銘柄の貸株レートについては、今回は述べない。
集計対象
- 対象期間の、楽天証券とGMOクリック証券で開示されている銘柄すべての貸株レート。
集計方法
・簡単な記述統計による。具体的には、下記を求める。
- (1)基本統計量(銘柄数、平均値、中央値、最頻値、標準偏差、最大値、最小値)
- (2)分布(ヒストグラム)
- (3)散布図
(注)全銘柄すべて平等に扱う(=銘柄数ベースで集計する)。
②貸株レートの集計結果
(1)基本統計量
- 一見、両社ともに似通った値となった。
- 貸株レートの最小値は両社とも0.1%
- しかし、最大値は楽天が14%、GMOが10%と大きく差が開いている。
基本統計量 | 楽天 | GMO | 差(楽天-GMO) |
---|---|---|---|
対象銘柄数 | 4008 | 3937 | 71 |
平均値 | 0.43 | 0.40 | 0.03 |
中央値 | 0.1 | 0.1 | 0.00 |
最頻値 | 0.1 | 0.1 | 0.00 |
標準偏差 | 1.03 | 0.79 | 0.24 |
最大値 | 14 | 10 | 4.00 |
最小値 | 0.1 | 0.1 | 0.00 |
(2)ヒストグラム
- 両社とも、多くの銘柄の貸株レートは0.5%以下。
- しかし、両社間で分布に差が見られる。
- 具体的には次の通り。
- 階級0.1~0.5%帯では、楽天が多い。
- 階級0.5~4.0%帯では、GMOが多い。
- 階級4.0%~帯では、楽天が多い。
- 楽天の貸株レートの分布の右裾が長い。
- 楽天の貸株レートの刻みが細かい。
(3)散布図
- 貸株レートが高水準の銘柄では、そもそも絶対数は少ないものの、楽天が優勢。
貸株レートの水準を、銘柄数の視点で比較します。
- 優位な貸株レートをつけている銘柄数は、楽天が多い。
- 1%以上の貸株レートをつけている銘柄数は、GMOが多い。
739
楽天 | GMO | |
---|---|---|
貸株レートが同水準の銘柄数 | 2657 | |
貸株レートが優位な銘柄数 | 739 | 639 |
貸株レート1%以上の銘柄数 | 544 | 667 |
③貸株レートの動向まとめ
以上の集計結果から、確認できる両社の特徴を整理します。
- 両社とも、多くの銘柄の貸株レートは0.5%以下である。
- ただし、両社で、貸株レートの水準は異なる。
- 貸株レートの刻み幅
→楽天が細かい。 - 貸株レートが1~4%帯の銘柄
→GMOが多い。 - 貸株レートが高水準の銘柄
→楽天が多い。
今回の記事を通して、「各社異なった貸株レートを提示している」という点が見えてきたかと思います。
ぜひ貸株サービスを選ぶ際のヒントにしていただきたいです。
今回のような視点をベースに、週次で行っていきます。
慣れてきたら、個別銘柄の貸株レートの動向に言及もしていく予定です。
「この銘柄は、この証券会社に貸株しよう!」というような選び方に繋がります。
※ただし、「貸株サービスの機能の優劣や使い勝手」、「移管手続きの手間」、さらには、「貸株レートの短期変動」など、考慮すべき基準が他にもあるので、衝動的な移管には注意が必要です。
今回の記事は以上です。ありがとうございました。
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