貸株レートを証券会社ごとに比較します!とその前に
「貸株サービスのレート比較」について説明します。
- 証券会社を選択する際の判断基準として、「貸株レート」が有効である。
- 貸株レートの開示ルールは、各証券会社で異なる。
- 当サイトでは、楽天証券とGMOクリック証券
の貸株レートをベースに、貸株レートの動向をレポートしていく。
①貸株サービスの比較基準:貸株レート
前回までの記事で、
- 貸株サービスというものがありますよ。
- 貸株サービスの仕組みは大体こんな感じです。
- 貸株サービスにはメリットがあります。
- 同時にデメリットもあります。
- 証券会社は、そのデメリットを補う「機能」をそれぞれ用意してくれています。
- この機能は、「どの証券会社の貸株サービスを利用したらいいか」を決める際の判断基準になります。
- しかし、判断基準として、「貸株レート」も大事です。
という話をしました。
「貸株レート」は、実際に受け取ることになる貸株金利の計算に使われますからね。
(再掲)貸株金利の計算式
貸株金利(円/日)=参考時価(円)✕ 貸株数量(株)✕ 貸株レート(年率)÷ 365
ということで、次は、証券会社別で、貸株レートの比較をしたいわけです。
ところが、そもそも「各社の貸株レートの開示状況はどうなっているのか」が、まだ整理できていないですよね。
次で整理していきます。
②貸株レートの開示状況比較
各証券会社の貸株レートの開示状況を、
- 更新頻度
- 開示範囲
- ルール上の最低レート・最高レート
の観点で比較整理しました。
貸株レートのルール比較表(2020年11月時点)
ルール /証券会社 |
SBI証券 | 楽天証券 | auカブコム証券 | マネックス証券 | 松井証券 |
GMOクリック証券 |
スマート プラス |
野村証券 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
更新頻度 | 週次 | 週次 | 月次 | 週次 | 週次 | 週次 | – | ? | ||
開示 範囲 |
全銘柄 | ✗ | ○ | ✗ | ✗ | ✗ | ○ | ○ | ✗ | |
一部銘柄 | 1%以上 銘柄 |
○ | – | ✗ | ✗ | ○ | – | – | ✗ | |
変更予定 銘柄 |
○ | ✗ | ✗ | ✗ | ✗ | ○ | – | ✗ | ||
非開示 | – | – | ○ | ○ | – | – | – | ○ | ||
最低レート(%) | 0.1 | 0.1 | 0.02 | 0.1 | 0.2 | 0.1 | 0.1 | ? | ||
最高レート(%) | 上限なし | ? | ? | 上限なし | 上限なし | ? | 0.1 | ? |
※記号説明 ○:対応 ✗:非対応。ログインしないと見られない。 ?:確認できず
表からわかること・目立った点
共通点
- レートの更新頻度は、週次が多い。
→「市場の動向に従う」とのこと。 - 貸株対象銘柄の最低レートを0.1%にしている証券会社が多い。
→銀行預金金利より高いのは魅力かも。ただし、原資産に価格変動リスクはある点には注意したい。
(例)貸株レートは10%。値動きによる含み損は-20%。
相違点(=いわゆる特徴)
- 貸株レートの開示状況には、ばらつきがある。
銘柄毎に貸株レートを変え、かつ全開示している証券会社は、楽天とGMOの2社のみ。 - 最低レートを0.1%にしていない証券会社がある。
松井証券が0.2%。auカブコムは0.02%
表に書ききれなかった、その他ルール
共通点
- 貸株サービス取扱銘柄は、原則どの証券会社も、国内の取引所上場銘柄。
ただし、関連銘柄は対象外(←会社法が理由と考えられる)。
相違点(=いわゆる特徴)
- (楽天)
「代用のまま貸株」する場合の貸株レートは、通常の貸株レートと同じとは限らない。
ログイン後に確認できるとのこと。 - (野村証券)
他のネット証券とサービスの仕様が異なるため、単純比較は不可能。 - (スマートプラス)
貸株レートは、残念ながら、すべて0.1%。今後に期待。 - (マネックス)
配当自動取得の設定にすると、貸株レートが実質ダウンする。
(楽天)
自動取得の設定にしなければ(金利優先設定にすれば)、貸株レートが上がる。
注意点
- 各社の「貸株レートの上限なし」という趣旨の文言はあるものの、「実際の貸株レートがどの水準であるか」に注意が必要である。
→これに関しては、釣り文句の可能性あり。
実際、貸株レートの水準は、「市場の動向次第である」と各社述べている。
例えば、「レートに上限なし」としている松井証券の貸株レートの最高値は2%である一方、SBI証券の貸株レートの最高値は14%だったりします。(2020年11月現在)
このように、「ルール」だけでなく、「貸株レートの実数値」にも注目していきたいです。
残念ながら、貸株レートを公開していない証券会社が多数です。
しかし、口座開設は無料なので、実際に口座開設して貸株レートを各自で確かめても良いかもしれません。
では、最後に、貸株レートの記事についての今後の方針について説明します。
③今後の方針:貸株レートの分布とその動向を追いかける
上記注意で述べたとおり、貸株サービスの選択については、貸株レートの動向が重要になります。
なので、楽天証券とGMOクリック証券
の貸株レートの分布を比較していきます。
2社の更新頻度に合わせ、週次でレビューしていきます。
ただし、前章で見た通り、貸株レートを「一部だけ」開示している証券会社もありました。
個別銘柄について焦点を当てて、3社以上で貸株レートの比較も行っていく予定です。
これらをすることで、下記のメリットをお届けできます。
- 各証券会社の貸株レートの全体像とその動向を比較し、追いかける。
- 証券会社の向こう側に広がっている「貸株市場」の動向のヒントを得る。
- 株価の短期変動のヒントになるかもしれない。
(↑貸株市場は、「信用売り」を支えているので。)
実際の貸株レートの動きは、貸株レート動向でレポートしています。
今回の記事は以上です。ありがとうございました。
貸株サービス入門編はこれで終了です。お疲れさまでした。
貸株サービスを利用する際には、
- 貸株のリスクを減らす便利機能
- 貸株レートの動向と比較
を判断基準に、証券会社を選んでみてください。
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