【2022年の貸株キャンペーン】松井証券の貸株サービス、金利を最大0.3%上乗せ!

【2022年の貸株キャンペーン】松井証券の貸株サービス、金利を最大0.3%上乗せ!

今回は、松井証券が2022年から行う貸株サービスのキャンペーンを紹介、解説していきます。

また、この貸株キャンペーンを利用したほうがいいか、そうでないかの判断方法も提供します。

 

  • 松井証券の貸株サービスキャンペーン中に条件を満たすと、貸株金利が最大0.3%上乗せに!
  • 満たすべき条件とは、設定を「貸株金利優先」「株主優待優先」にすること。
  • ただし、受け取れる貸株金利が増える一方、受け取れたはずの株主の権利を失うので、これらを天秤にかけるなどの注意が必要。

 

貸株サービス金利アップキャンペーンの基本ルール

久々に、貸株サービスのキャンペーンが行われます。今回は、大手ネット証券の一つである松井証券が実施します。

「貸株金利が通常のものから上乗せされる」というキャンペーンとなっております。

キャンペーンの金利を得るためには、権利の設定がポイントとなります。

 

権利の設定とは・・・3種類あります。

  • 貸株金利優先:貸株金利の取得を優先する
  • 株主優待優先:株主優待の取得を優先する
  • 権利取得優先:株主優待以外の権利取得も優先する
    (デフォルトはこれになっている。投資家の権利を意識した気遣いかと思われる。)

※詳しくはコチラ

 

※権利確定と貸株の関係は、次の記事で復習してください。

貸株レートが権利確定日にかけて上昇する理由と、金利優先に注意すべき点

 

 

設定を変更すると、次のように貸株サービス金利が上乗せされます。

  • 貸株金利優先0.3%上乗せ!
  • 株主優待優先0.1%上乗せ!

 

なお、この設定が、”判定日”において、3つのうち、どれになっていたかが参照されるようです。

条件を満たして貸株金利が上乗せされる期間は、その判定日”に対応する期間です。詳細は、キャンペーンHPをご確認ください。



 

貸株キャンペーンの主な注意点

投資、資産運用において、原則として、うまいだけの話はありません。

このキャンペーンに参加する際にも、リスクを負うことになります。キャンペーンを利用するにあたり、注意点や制約を列挙していきます。

 

貸株サービスの対象となる銘柄の制限

まずは、松井証券が、貸株サービスの対象となる銘柄を選んでいるという点です。

そもそも、貸株サービスの対象外であると、キャンペーンの上乗せ金利が得られません。貸そうと思っている銘柄が、貸株サービスの対象になっているか、要確認です。

 

貸株金利のベースが、「キャンペーンありき」で決まる可能性がある

次に、ベースの貸株金利が変動するという点です。

 

例えば、今週、基本の金利が0.5%だったとします。キャンペーンで0.3%上乗せされて、合計0.8%で運用できたとします。

ところが来週、基本の金利が0.2%に変更になりました。キャンペーンの0.3%上乗せで、合計0.5%となります。

「単にベースの貸株金利が動いただけ」とも取れますが、実態は、キャンペーンの上乗せ分を加味してベースの貸株金利を作成する可能性があるということです。

 

この場合、キャンペーンとは名ばかりとなってしまいます。

証券会社も、払いっぱなしのことはしないはずです。ただ、キャンペーンであるから、お客さま還元を貫くという線も捨てきれません。

※中立的に物事を見ることを意識したい、という姿勢で書かせていただいています。

 

そもそも、設定の条件が複雑

下記の場合、キャンペーンの対象となりません

  • 権利取得設定の基本設定および銘柄別設定のいずれかで「権利取得優先」が設定されている場合
  • 銘柄別設定の貸出数量が「全部貸し出す」以外となっている場合

ちょっと、わかりにくいですね。

 

要するに、

  • 設定には2段階ある。基本設定と銘柄別設定。
  • 基本設定を「権利取得優先」にしない
  • 銘柄別設定も「権利取得優先」にしない
  • 銘柄別設定の貸出数量を「全部貸し出す」にする

のすべてが必要となります。「より貸株しやすい設定にしておく」といった具合でしょうか。

 

ただし、このような設定をすると、思わぬ権利の取り忘れが発生するでしょう。

例えば、「この銘柄だけは”権利取得優先”にしたかった。しかし基本設定を”貸株金利優先”にしたがために、この銘柄までもが”貸株金利優先”になったままだった。」などのミスに注意です。

 

 

(おまけ)この設定の難しさをクリアできる人、設定の切り替えに余裕のある人は、次のような戦略に挑戦してみてもいいかもしれません。

キャンペーンの対象になるかどうかは毎月判定なので、「権利確定のない月は、金利を上乗せしたいから貸株金利優先に切り替える」。

 

ただし、その場合、株主番号が変更されて長期保有に伴う権利を喪失してしまうかもしれませんので注意が必要です。

 

また、設定の切り替えができるタイミングにも制約があります。

『権利確定日を迎える銘柄は、権利付最終日の6営業日前の引け後から当日の引け後までの間、貸出設定の変更が制限される』とのことです。

余裕を持って設定の切り替えをしましょう。

 

権利取得優先を捨ててまで貸株すると、損する可能性がある

最後に、細かい損益を考えると、「たとえキャンペーンで金利が上乗せされるとしても、貸株しないほうが得」の場合がありうるという点です。

貸株金利優先に設定することで得られるものは、

  • より多くの貸株金利
  • 配当金相当額

 

逆に、失うものは、

  • 配当金
  • 優待

 

これらを天秤にかけて、権利確定日に貸株をする、しないを決めるべきかと思います。

 

この説明では抽象的で伝わりにくいので、具体的な例を使って、比較してみましょう。

仮定

計算を単純にするために、以下の仮定をおく。

数値の仮定

  • 計算期間、貸出期間:6か月
  • 株価:10,000円(期間において一定とする)
  • 貸株金利:0.2%(期間において一定とする)
  • 優待:一株あたり1円相当がもらえる。
  • 配当単価:一株あたり3円
  • 所得税率:20% ←仮置き
  • 配当の所得税の源泉徴収税率:15.315%
  • 株数:100株

 

その他仮定

  • 配当と優待の権利日は同じとする。
  • この期間に、権利確定日が一日だけある。
  • 計算期間中、戦略「貸株金利優先」or「株主優待優先」or「権利取得優先」の設定を変更しない。
  • 配当金相当額は、額面から所得税の源泉徴収分を引いた額とする。

 

この仮定のもとで、当キャンペーン時に貸株サービスを利用した場合の受取金額を、「貸株金利優先」「株主優待優先」「権利取得優先」の3パターンについて計算してみました。

計算

設定別の手取り額を計算すると、次の表のようになる。

戦略 【A】時価額
〈株価×株数〉
【B】配当金(税引前)
〈配当単価×株数〉
【C】配当金(税引後)
〈B×(100% – 源泉徴収税率)〉
【D】配当金相当額(税引前)
〈配当単価×株数×(100%-源泉徴収税率)〉
【E】配当金相当額(税引後)
〈D×(100% – 所得税率)〉
【F】優待
〈優待×株数〉
【G】貸株金利(%)
〈貸株金利+金利上乗せ分〉
【H】金利
〈A×G×計算期間/1年〉
手取り
〈C+E+F+G〉
貸株金利優先 1,000,000 0 0 254 203 0 0.50% 69 273
株主優待優先 1,000,000 300 254 0 0 100 0.30% 42 396
権利取得優先 1,000,000 300 254 0 0 100 0.20% 28 382

※金額の単位は円                      ※配当金相当額は、雑所得扱いとなるため、実質二重課税になる。

整理すると、

  • 貸株金利優先の場合、273円
  • 株主優待優先の場合、396円
  • 権利取得優先の場合、382円

の受け取りとなり、キャンペーンを利用して貸株金利優先にすると損である

たとえ貸株金利が上乗せされたとしても、配当や優待の権利を失う損失のほうが大きいからである。

 

また、株主優待優先にしたほうが、権利取得優先にしたときよりも利益が大きい。

配当金の権利を捨ててでも(配当金相当額として税負担を負ってでも)、貸株キャンペーンの上乗せ分を狙っていったほうが良い、ということが言える。なお、この場合は、優待権利は、しっかり受け取れている。

 

この例の結果からいえること

上の例では、貸株サービス金利アップキャンペーンを利用して、貸株金利優先をしないほうが得策だと言えます。

 

ただし、上の計算例は、各戦略の効果を比較しやすくするために、変数に一定の仮定を置きました。

実際は、各変数が動きます。将来の株価、貸株金利、配当は分かりません。

 

貸株する、しないの判断材料の整理まとめ

以上の計算例から、次のことが言えます。貸株をする、しないの判断の目安にするとよいでしょう。

  • 株価が上がる、金利が上がる→貸株金利優先がより好ましくなる。
  • 配当が上がる、優待がよくなる→権利取得優先がより好ましくなる。

※ただし、これらが先読みできたら、投資に苦労しません!貸株どころではない。

 



 

貸株キャンペーンのまとめ

 

今までの記事にも書いてきた通り、貸株サービスは、メリットもあれば、デメリットもあります

 

上記の注意点も含めて検討して、松井証券の貸株キャンペーンを利用してみてはいかがでしょうか。

松井証券の貸株サービスの金利は、最低0.2%とからとなってます。※貸株サービス対象銘柄である場合。

 

お持ちの株の金利を確認してみてはいかがでしょうか。もしかしたら、SBI、楽天、GMOよりも高い金利の銘柄があるのかもしれません。

 

また、松井証券は代用有価証券の貸株もできますアプリからも貸株の設定ができるなど、利便性が高いです。

まだ、松井証券の口座をもっていないけど貸株サービスをしてみたい方は、こちらからどうぞ。

【徹底解説】貸株サービスをおすすめしたい証券会社(2021年2月期)

 



 

今回の記事は以上となります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

☆貸株サービスをもっと知りたいならこちら☆
貸株サービスの解説記事をまとめました | 貸株.com (kashikabu.com)